漢方治療エビデンスレポート
日本東洋医学会EBM委員会エビデンスレポート/診療ガイドライン タスクフォース
2.
癌
(
癌の術後、抗癌剤の不特定な副作用
)
文献
佐々木一晃, 江副英理, 荒谷純, ほか. 消化器癌と漢方-とくに免疫能からみた有用性-.
漢方と最新治療 2006; 15: 9-14.
佐 々 木 一 晃, 高 坂 一, 古 畑 智 久, ほ か. 癌 化 学 療 法 と 漢 方 診 療. 外 科 治 療 2007; 97: 504-10. MOL, MOL-Lib
1. 目的
大腸がん術後再発予防における十全大補湯の臨床効果を評価
2. 研究デザイン
ランダム化比較試験 (RCT)
3.
セッティング
札幌医科大学第一外科を中心とする多施設、ただし施設名の明確な記載なし
4.
参加者
2001年7月から2005年3月のあいだに治癒切除を施行し化学療法を併用したstage II,
III大腸がん症例168名、平均年齢65歳
5. 介入
Arm 1: 5-FU系経口薬+十全大補湯 (メーカー不明) 7.5g/日 86名
Arm 2: 5-FU系経口薬 82名
6.
主なアウトカム評価項目
再発率、再発までの期間、生存期間
7. 主な結果
平均術後経過観察期間は38.6カ月であった。stage IIにおける再発率はArm 1で6.9%、
Arm 2で14.0%とArm 1でやや良好な数値であったが、有意差を認めなかった。再発ま
での平均期間はArm 1で18.2カ月、Arm 2で16.9カ月であった。stage IIにおける3年 無再発生存率はArm 1で92.2%、Arm 2で85.9%、stage IIIではArm 1で67.5%、Arm 2 で62.9%とArm 1でやや良好な数値であったが、有意差を認めなかった。
8.
結論
十全大補湯の転移抑制作用の可能性が示唆されるが、 (中間報告のため) 引き続き経過 観察を行っていく予定である。
9.
漢方的考察
なし
10.
論文中の安全性評価
記載なし
11. Abstractor
のコメント
この 2 つの論文は、大腸がん術後再発予防における十全大補湯の臨床効果を、多施設 で評価した臨床研究の中間報告である。解析対象となる症例数は、各群とも 100 名弱 を確保している。現時点ではコントロール群との明確な差は認められていないが、十 全大補湯ではやや成績が良好な傾向が見られる。今後の最終的な報告に期待が寄せら れる。なお、本アブストラクトは主に、発表時期が新しい後者の論文内容から作成し た。
12. Abstractor and date
及川哲郎 2008.12.31, 2010.6.1